2013年3月5日火曜日

大型自動二輪教習

さっそく、大型自動二輪の教習を始めた。薄緑の書類は、教習原簿だ。これに教官が進捗を記載するものだ。そして、小さな白い紙は、配車券だ。毎時間、事務練に行ってこれを受け取って教官に提出しなくてはならない。第1段階が5時間、第2段階が7時間の計12時間だ。1日に受けられるのは、第1段階では2時間まで、第2段階では3時間までとなっている。

当然ながら教習は夜だ。写真は明るく見えるが、これは感度が上がっているためで、実際はかなり暗い。入ったのは、アイルモータースクールというところで、バイク専用の練習コースが作ってあるのがいい。そのため、乗用車と交わることなく練習できる。その代わりに、コースはかなり狭い。大型二輪の一発検定では、最高速度が45km/hとなっているが、ここでは30km/hだ。狭いので、それくらいしか出せないのだ。ただし、急制動では40km/hまで出す必要があり、大変だった。なかなかそこまで速度が出ないのだ。かなり思いっきりアクセルをひねる必要がある。

この時期は少しまずかった。というのも、高校3年生が卒業前に取得しようとして、こぞって入学してきており、自動二輪の3人の教官も普通車の教習に回されて、技能教習を予約しようにも、殆ど空いていないのだ。しかたないので、事務員に「仕事しているんだから夜しか来れないのだと」無理言って、予約を入れてもらった。そのために、教官と一対一での教習も多かった。

教習車は、CB750だったが、このバイクの扱いやすさは本当にすはらしい。2速でも、かなりの低速まで粘るので、カーブなど徐行区間はほとんど2速だった。もちろんクランクやS字は、1速でノークラでの走行だった。半クラが使えないと大型は無理と言われるが、普通に走行してるときには、半クラなど使わないものだ。適切なギヤを使えばいいだけの事だ。一度、慌てて3速のままで発進したことがあったが、なんとか発進できてしまうくらいだ。


さて、入学して教習を実際に受けてみると、本当に自分のライディングが全然なっていないことが分かった。


まずは、乗車と降車だ。とにかくよたよたとして、不安定この上ない。これはコツがあるので教えてもらった。まずは、乗車の前にハンドルを右にロックさせるのだ。すると、バイクは左側に倒れようとする。当然右のハンドルが自分の側に近くなるので、前ブレーキをしっかりと握れる。かつ、車体が左に来るので、シートが自分の側に倒れて近くなるのだ。これには驚いた。いままでの苦労はなんだったのかと。そして降車も同じだ。降りる前にハンドルをロックするまで右に切ると、車体が足をついている左に傾くので、足が地面に付きやすくになるし、安定する。そして、おもむろに頭を下げると、右足が勝手に上がってくれて、そのまま手前に引けば、もう降りている状態になるのだ。目に鱗とはこのことだ。まあ、実際には、サイドスタンドを立てたままで乗り降りするだろうから、こんなテクニックもいらないのかもしれないが。

次は、アクセルの握り方だ。私は、アクセルを鷲掴みにしてしまう癖があり、しつこく修正された。とにかく、右手は、掌をグリップに手前からあてるようにして、親指と、薬指、小指で軽くつかむように言われた。そうすることで、手首が手前に来て、アクセルを大きく開こうとしても開けないうえに、細かいアクセルワークが可能になるのだ。上の写真の様にアクセルを掴むと、指を開いただけでブレーキに指がかかり、すぐに制動出来るのだ。鷲掴みで手首が上がっているとブレーキの時には、指を開いてもブレーキレバーの下にしか行かないので、ブレーキレバーに指をかけるために、手首を下げる必要があり、それはアクセルを開けることに繋がるのだ。それは、大排気量のバイクでは、大変な事になる。ブレーキをかけるつもりが、アクセルを開くという真逆の状況を発生させてしまうのだ。「命がいくつあっても足りないよ」と言われる始末だ。しかし、確かに言われるように手首を手前に下げると、ギクシャクしないで、スムーズな加速や、減速ができるのだ。

そして、さらに通常は走ることもない一本橋や、スラローム、波状路の3つはとても難しくて大変だった。

何度も、一本橋は落ちて、いやになったが、コツを教わるとなんとか走れるようになった。それは、こうだ。まずはなるべく前を見て、下を見ないこと。次に、橋に乗ったら、ハンドルを細かく左右に振るのだ。そのことで、逆に安定し、タイヤがこすれることでブレーキの代わりになる。1速で、半クラで速度が落ち過ぎたら、大目につないで少しだけ増速してやる程度だ。ただし、最高でも13秒程度だった。とにかく橋から落ちたら1発検定中止なのだから、とにかく落ちないことが肝要だ。

次に、スラロームだが、こちらは逆に速く走らないといけない。5秒以内に通過なのだ。ゆっくりならば、慌てなければ問題無いが、速く通過しようとするとアクセルをひねりながらだんだんと増速していく雰囲気だ。その為最初は低速で、少し倒し、段々と加速して、倒しこみも大きくしないといけない。意識的に、ハンドルを左右に大きく切るようにして走るのだ。これが意外に難しい。少しでも、タイミングを狂わすと、オーバーランしてしまい、ポールの間を通れなくなるか、ポールをはねてしまう。私の場合は、とにかく加速するのが難しかった。

最後の鬼門が波状路だ。波状路は、逆に遅くなくてはならない。7秒以上だったか。ここでは、エンストを何度もやった。一度は、後輪が板の上に上がっている状態で止まってしまい、足を出しても地面を見つけられずに、そのまま倒れてしまった。この時に、エンジンがうなりを上げて拭け上がったのを思い出す。クラッチを離さなかったから良かったものの、クラッチをは離していたら、大変なことになっていた。このことからも、手がグリップをきつく掴んでいたことがわかる。それでは、だめなのだ。立ち上がって、シートではなくタンクの上まで、前進して、膝でタンクの膨らんだところを挟む感じで、腰を突き出す気持ちになることだ。そして、手はリラックスして、軽くハンドルをつかむ。エンジンはややふかし気味で、半クラで、段を上るときのみ、駆動力を加える感じだ。

一発検定で、大型自動二輪を合格することがステータスのような言い方をする人がいるが、全くナンセンスだ。ちゃんと学校に行って、自分流ではなく、ちゃんと教わって、効率の良い安定したライディングをした方が自分の為にもなるし、周りの人にも安全だ。

ということで、どう考えても課題ばかりで、12時間オーバーは間違い無かった。幸いなことに、この自動車学校では、自動二輪はオーバーしても無料になっていて助かった。