2014年6月7日土曜日

Intel DX58SOマザーボードでCPUをCore i7からXeonに換える

ビデオ編集などに使っているハイパフォーマンスPCの延命として先日電源を交換した。これでだいぶ安定したが、ビデオのエンコードなどではやはり時間がかかる。

それで、対応CPUの入手が難しくなる前に交換する事にした。現在取り付けているのはCore i7-920(4コア/8スレッド/定格2.66GHz)だ。それを、ベースクロック133MHZから150Mhzへオーバークロックして、3GHzで駆動して使用している。

交換するCPUとしては、同じ4コアで、クロックの高いものと、クロックは同じだが、コア数か6コアのものが候補として上がった。もちろんクロックも高くて、6コアのCPUが良いがそれは高いのだ。

一体、どちらがより効果的なのだろうか。一般的にはクロックの高い方がより処理速度が速いたろうと思われるのだが、最近ではマルチスレッドでの処理も重要視されている。

悩んだあげく、この2つを購入して試してみることにした。もちろんこんな事が出来るのも某巨大オークションサイトで余った部品が処分出来るからだ。

まず第一の候補は、Xeon X5650(2.66GHz/6コア/12スレッド)だ。Core i7-920と定格クロックが同じだ。コア数が4から6になっている、

 裏側だ。

次が、Xeon X5672(3.2GHz/4コア/8スレッド) だ。コアの数は4と同じだが、クロックが3.2GHzと高くなっている。

 裏側だ。コア数が異なるが、外観は全く同じだ。

 さっそく、交換してみる。まずは邪魔なビデオカードをとり外す。次にメモリーも外しておいたほうがいいだろう。

CPUクーラーは、2つのヘクサネジで固定されていた。

これを緩めて、CPUクーラーを外す。

灰色のサーマルグリスがべったりと付いている。

レバーを起こし。

カバーを引き上げる。そうするとCPUは簡単に取り外せる。

 CPUを取り外した。

現在のCPUは、LGA(リード・グリッド・アレイ)というタイプで、ソケット側に剣山のようにピンが立っていて、CPUは接点が有るだけになっている。

Core i7-920(左)とXeon X5672(右)との比較。表面は全く同じだ。

裏は、真ん中のチップのサイズと配置が異なっていた。

CPUは、切りカキ が付いていて、これが合うようにしか搭載出来ないので、誤ってCPUを取り付るということは無い。

というわけで、切りカキが合うようにXeonを取り付ける。

サーマルグリスは、端に一直線に塗り、

柔らかめのカードなどでなるべく薄く広げる。

こんな感じだ。

そして、元のようにCPUクーラーを取り付け、メモリーも差して完了。

これを、Xeon X5672(3.2GHz/4コア/8スレット)と、Xeon X5650(2.66GHz/6コア/12スレッド)で比較する。Xeonの二つは、標準クロックとベースクロックを133MHzから150Mhzにオーバークロックして調べた。なお、X5672は、ES品との事でCPU-Zでは正しく表示されていない。しかし、動作は全く問題が無かった。

Core i7-920 3GHz

Xeon X5672 3.3GHz

Xeon E5672 3.6GHz

Xeon X5650 2.66GHz

Xeon X5650 3GHz

さすがに6コア/12スレッドだ。タスクマネージャーを起動すると12個ものCPUが見える。なかなか壮観だ。


テストはたんなる素人なので、1コアの性能を測る為に、
定番のスーパーπを試してみた。

そして、実際にビデオをエンコードしてその処理時間を比較した。ビデオは、3本を同時に処理させた。いつもそうしているからだ。

それをまとめたのが以下の表だ。

920(3GHz)X5672(3.2GHz)X5672(3.6GHz)X5650(2.66GHz)X5650(3GHz)
π204万桁
    (秒)
   30   26    25    33   29
エンコ
    (分)
   51   45    42    40   36

これを見ると、スーバーπでは、クロックの最も高いXeon X5672(3.6GHz)が最も速い。実際起動して操作しただけで、明らかに軽く、きびきびした感じがした。通常使うのであれば、Xeon X5672を使ったに違いない。ところが、一番速く処理して欲しいビデオエンコードでは、最も速かったのはコア数の多い、X5650(3GHz)だった。920の3GHz駆動よりも、Xeon X5650(2.66GHz)のほうが速く、オーバークロックするとされに速くなった。

結局、操作感はいままでとほとんど変わりの無かったXeon 5650を今回のアップグレードとして使用することにした。Xeon X5650はコア数が増えているが、TDPは、130Wから95Wに減っている。さらに、Tcase(CPUの温度制限)が、 67.9℃から82.9℃に上がっているのだ。それだけ高温になっても正常に動作する可能性が高くなると言う事だ。

だが、ビデオのエンコードでは、もしかすると私の使っている「TMPGEnc Video Mastering Works 5」が特にマルチスレッドに最適化されていたのかも知れないが、クロックよりもコア数(スレッド数)が多いほうがより効果的だったようだ。

しかし、Xeon X5672の速い操作感も忘れがたいものがあった。

さて、それでは、残ったCore i7-920とXeon X5672を主余分する事にしよう。

しかし、LGA1366で使用するCPUとしてCore i7ばかりがもてはやされ、Xeonが忘れ去られているのだろう。Xeonの方が、同じくロック/コア数でも、PQI転送速度が速く、TDPもXeonの低い。対応メモリークロックも、920がPC3-1066までなのに対して、XeonはPC3-1333まで対応しており、より高速なメモリが使えるのだ。なのに、LGA133用のXeonは低価格で取り引くされており、人気が無いようだ。

もちろんXeomはいわゆるボックス品と言われるヒートシンクの付いた製品は無く、通常はトレーと呼ばれる簡単な入れ物にいれたいわばバルク品として売られており、その点が人気が無い原因なのかも知れない。