昼食後、再び197号線を東に走る。天気も良く気持ちいい。
途中から、横道に入る。
看板によると「緑資源幹線林道 日吉・松野線」とある。
いままでより、明らかに細い道になった。
そしてすぐに分岐が訪れる。
赤丸の点で、上から下に来ており、地図では右に曲がる。進行方向では左に曲がる。
ところが、曲がったところに看板が有り。通行止めとある。この道が通行止めなのか、真っ直ぐの道なのかよくわからない。
真っ直ぐの方向に行ってみると、こちらが5KM先通行止めとあったので、地図どうりに画面では左で正解だった。なお、この看板はGoogleマップのストリートビューでも見える。事前に見ておけば良かった。
しかし、この道に入った途端に、道ばたには石がごろごろしていたりして、私もいきなりズリッと滑った。私が先頭だったので、無線で道に石や砂などがあり滑りやすいと連絡した。
石や砂ばかりではなく、時折道端の針葉樹の葉が道の中まで散らばっている所も有り、滑りやすい。状況を無線しながら、走り続けた。
コーナーの後に笹が道路に倒れて覆い被さっていてびっくり。無線で注意を喚起した。
ところが、その直後に後ろを見ると誰も付いてきていない。少し待ったが、誰も来ない。何かあったのかとUターンして見ると、
1台のバイクが転倒していた。
最後尾を走っていたCB1300SBのSHO氏だった。
道路を見ると、車体がずーっと滑った跡が有った。先日もツーリングクラブのツーリングで、先頭車両が緩いカーブ中にあった小石に前輪を取られて転倒したばかりだった。
そのときにはたいした怪我も無く、バイクも走行可能だった。
慌ててバイクを起こした。
本人も、パンツを下ろしてみると膝にかなり深い傷があった。また、肘回りも擦り傷で血が出ていた。
ツーリングクラブで各自用意するようにと言われていた救急キットが役に立ってしまった。
丁度きついカーブで、やはり小石か砂に前輪を取られた物と思われた。
偶然の一致かもしれないが、前回のバイクがZZR1200で、今回がCB1300SBと、どちらもリッターバイクの比較的重く、ABSが付いていない機種だった。それが原因の一部になっているかは不明だが、やはり、ABSが付いていた方が安全性も高いのかもしれないと勝手に思った。
また、このCB1300SB乗りのSHO氏は、前日、前々日と二日連続でゴルフに参加しており、昨日もそれが終わってから自宅に戻って遅くに大分の別府に着くという強行軍だった。しかも、今朝は4時に起きて走りだすという、誠にきつい状態だったろうと想像する。
先頭車両が滑るというのは、前に参考に出来る車両がいないのだから、あり得る話だが、最後尾となると、やはり疲れが原因の一つでは無いかと思ってしまう。
今回のツーリングは、もともと今日の朝出発の予定だったものを、大分で1泊してから出発というように途中から変更した事も、今回のような強行軍になってしまった原因の一つだろう。
メンバーの都合もよく考えないとまずかったと反省した。
この事故現場のストリートビューを見る。
バイクも何とかエンジンが掛かり、本人も走れそうだというので、メンバーが山中で電波が入りにくい中、なんとか近所の病院を探し出して、そこに向かうことにした。
事故現場から、少し先を右折して、県道379号線を下っていった。
走る事数十分で着いた。右の大きな建物が病院だ。その前には、バイクショップが有った。
かなり、降りるのが辛そうだった。到着した病院は、梼原病院だ。このあたりでは、比較的大きい病院ではなかろうか。
すぐに処置室に通してもらい、レントゲンなどを撮ったが、やはり大きな病院に行った方が良いだろうということになった。
病院の方で、救急車を呼んでもらって、高知市の赤十字病院に行くことになった。
バイクは、到着時の写真にもでているバイクショップで預かってもらうことになった。
救急車を見送った後、残った4人はひたすら197号線を東に走った。
途中の「道の駅布施ヶ坂」で休憩した。
ソフトクリームなどを食した。
今年発売されたばかりのハーレーダビッドソンの750が止まっていた。かなり小さい感じだ。250ccといわれてもそうかもしれないという位小さく感じた。
この道の駅の道路を隔てた真向かいに、展望台のような施設があった。
行ってもみると広い板張りだ。
前方はなかなか景色が良い。だが、本当はこの展望台のような所から下に長い滑り台があって、谷底に向かって見えなくなっていた。滑ってみたいとも思ったが、ここに戻るのには急な崖を登る必要がありそうなのでやめておいた(写真を撮り忘れた)。
その展望台の端になにやら縄跳びをしている人形があった。
見に行くと、縄跳びでは無く、鯛を釣る人形だった。神楽の像らしい。
そこを出発。
しかし、少し走ったら、トランシーバーを付けていたスマホマウントが根元からぽっきりと折れてしまった。慌てて、トランシーバーをダミータンクの中に仕舞った。
そして、須崎中央から高知自動車道路に入った。
片側一車線の高速道路。トンネルが多い。
高知で降りた。
そして、まもなく高知赤十字病院に到着した。
SHO氏はなかなか出てこなくて、心配したが、なんと膝の皿にひびが入っている事がわかった。無理せずに、ここに来て良かった。幸い入院する必要は無いということで、こちらのホテルに1泊して明日の飛行機で帰ることになった。
一人離脱のという事態になったが、折角準備を整えてきたツーリングなので皆で協議の結果、続行することにした。
暗くなってから、ホテルに到着。
ここの駐車場は、立体になっており、手前のバイクのように、リフトアップしてくれる。ただ、1台分のスペースに2台バイクを止めたのでやや狭かった。それでも、誰でも入れるスペースなので、リフトアップしてもらった方が安心だ。
宿泊したホテル ファーストは、朝食付きで3,800円。駐車場は有料で1台分で500円だった。
低価格なので、部屋はベッド1つで一杯のサイズだが、泊まるだけなので十分だ。
夕食に、商店街に繰り出した。自転車やバイクが沢山止めてあってびっくり。
高知で有名だという店に行ってみたが、2時間待ちということで諦めた。
ここでは、わらの火で炙った鰹のたたきで有名とのこと。
歩き回って、なんとか入れそうだったのでこの店にした。
お疲れの乾杯。ビールは最初の一口がうまい。
鰹のたたきも有った。
こうして、意外に内容の濃い1日目が過ぎていった。
体調が問題なくても、ちょっとした気の緩みで、今回のような事故は誰でもあり得る。道ばかり気にしていたら、コースが急に曲がっていて突っ込んだと言うこともあり得るだろう。
バイクで走るのは楽しいが、そういうリスクも十分に考えなければならない。
事故は残念だが、ツーリングの際には、プロテクター付きの服装や、体調管理、スケジュールなど色々と考えさせられた1日だった。